滋賀県の郷土料理 鮒寿司(ふなずし)
鮒寿司(ふなずし)は、滋賀県に古くから伝わる伝統料理の「熟れ鮓(なれずし)」で、近江の人々にとって最も身近で親しみやすい食べ物として愛され続けてきました。
祭りや何かの祝い事には欠かせないハレの日のご馳走で近江の代表的な郷土料理であります。
また、鮒鮨(ふなずし)は乳酸菌の発酵食品のため整腸作用がありお腹の調子が悪いときに食べると良いとか、農家の人たちは「フナズシは眉毛にたまった汗をふき飛ばす程の精がつく」と言って農作業で疲れた時の滋養強壮食品として食べられています。
鮒寿司には独特の匂いがあり、それは鮒のたんぱく質が分解されるに伴いアミノ酸という「旨み成分」に変わったことによる発酵臭で、その匂いは滋賀県人でも好き嫌いが別れますが、上質な鮒ずしは生臭みもなくチーズのような芳醇な香りがいたします。
伝統製法で手間暇かけて作り上げた秘伝の味
鮒寿司(ふなずし)の製法は
春先に獲れた子持ちの鮒を収穫後すぐに鱗とエラを取り卵巣以外の浮袋や内臓を口から丁寧に取り出し(苦玉をつぶさないように取り出すのに技術がいります)腹に大量の塩を詰めて鮒と塩を交互に敷いて樽で塩漬け(塩切り)をします。
土用の頃に塩漬けした鮒を取り出し、綺麗に水で洗って塩抜き(塩出し)をします。
この時、綺麗に洗わないと生臭みが残ります。
洗った鮒を充分水切りし半日から1日陰干します。
網などをかぶせ虫などがつかないように細心の注意が必要です。
翌日、冷ましたご飯を鮒の腹に詰め込み、樽にご飯と鮒を交互に積み重ね、最後はご飯で鮒が見えないように覆います。
ご飯の上に竹の皮を敷き詰め空気が入らないように樽の周りに藁を編んだカイワラというものを置き石の重しをして(本漬け)数か月~1年熟成させます。
その間、上に張った水を替えたり、重石がずれていないかなど注意をはらい美味しい鮒寿司ができるのを待ちます。
このようにフナズシは大変な手間と暇をかけて作られます。
本当に美味しい鮒寿司(ふなずし)は?
美味しい鮒寿しは
・生臭みがない(まずい鮒寿司は、とても生臭くて食べられません)
・脂臭くなく鮒の美味しい脂の味がします
・まろやかな食べやすい爽やかな酸味と芳醇な旨みが広がります
・たっぷり卵を孕んだ子持ちの雌
(好みですが子の無いオスも美味しいです)
ふなずしの標準的な味は、酸っぱいです。
匂いはフランスチーズのような独特な香りがしますので好き嫌いがはっきり分かれると思います。
しかし、慣れてくるとそのニオイがクセになり、たまらなく好き!になってくるかもわかりません。
旬縁館では、あまり臭くない上品な美味しい鮒寿司をご紹介しています。
ふなずしの美味しい食べ方
鮒寿司は薄くスライスして、そのまま食べてみてください。
お酒のアテに喜ばれますが
削り節や塩昆布を載せてお茶漬けにしても大変美味しいです。
同じ発酵食品のチーズと合わせてもオツなお味がいたします。
滋賀県の名物「鮒寿司(ふなずし)」を是非一度ご賞味ください。